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2009年10月23日金曜日

RDRA(2) - RDRAとの出会い

 私は今から10数年程前に、初めてオブジェクト指向に出会った時、この方法論をVisual Basicでのアプリケーション開発の設計に組み入れることができないかと研究したことがあります。その頃のVisual BasicはVersion 4.0で、Classモジュールが使えましたが、本格的なオブジェクト指向言語ではありませんでした。しかし、設計にオブジェクト指向のエッセンスを組み入れることで、設計の品質を向上することができるのではないかと考えたのです。

 それからしばらくして、Visual Studio 6.0のリリースと共にVisual BasicがVersion 6.0にアップグレードした時、Visual Studioの同梱ツールの中にVisual Modeler 2.0というツールを見つけました。これはUMLによりアプリケーションモデルをデザインするためのツールで、3階層アプリケーションをユーザーサービス、ビジネスサービス、DBサービスの3つのレイヤでデザインしていくツールです。私は直感的に、これなら自分の思い描く設計ができるなぁ、と考えました。

 私はVisual Modelerを使って、ユーザーサービスに画面、帳票、ファイルを、ビジネスサービスに共通関数とDBクエリーを、DBサービスにER図を描き、それらのアイコンを関係線で結んだのです。「アプリケーションが見えた!」と強く思いました。「これを描きたかったんだ!」っと。独学でITに関するさまざまなことを学んできた私にとっては、大きな一歩です。しかし、この方法は設計を網羅していません。画面は並んでいますが、業務が見えないのです。また、Visual Modelerでそこまで描こうとすれば、巨大なクモの巣ができるだけです。

 それから数年後、次期基幹システムの開発が大きな問題を抱えた時、私は今更ながらに要件開発の重要性を再認識しました。このままではダメだ。やり方を変えなければ再び失敗を繰り返すと… そこで書店に何度も足を運び、要件定義に関する本をいくつも立ち読みしましたが、どれも実践性に欠け、私を満足させるものではありませんでした。自分で試行錯誤するしかないのだろうか? そんな思いである書店の書棚を見ると、『顧客の要求を確実に仕様にできる要件定義マニュアル』という何とも心強いタイトルの本を見つけました。これは「リレーションシップ駆動要件分析(RDRA)」を用いた要件定義の本でした。パラパラっとめくり、まあこれでも買ってみるか、と軽い気持ちでレジに並びました。そして電車の中で読み進めた時、ああ、これで自分の求める要件開発ができると強く感じました。決して大げさではなく、これは自分の限界を突破した瞬間です。知識は成長を促し、成長とはそれまでの自分の限界を超えることです。

 私は本を片手にVisioを使ってモデリングを繰り返しました。そしてすべてのモデルを書き終えた時、「要件が見えた!」と実感しました。要件、すなわち「どのようなシステムを作るか?」が定義できたのです。これまでの私は、RDRAでいうところの画面帳票モデル、機能モデル、データモデルの関連性には着目できていたのですが、それをシステム境界の外側にまで広げるという発想に欠けていたのです。ちょっとした発想の違い、しかし、とてつもなく大きな違いです。

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