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2009年10月8日木曜日

世界の中心で、愛をさけぶ

*今から3年前に、ある方たちに宛てて送った文章を掲載してみました。

 『世界の中心で、愛をさけぶ』という作品、これまで原作である小説から、映画、ドラマ、コミック、ラジオドラマと5つの作品が発表されています。このうちどれか、ご覧になりましたか? 私は、ドラマと小説を見ました。さて、この作品のタイトルである「世界の中心」とは何でしょうね?


 この作品のドラマ版には、次のようなシーンがあります。このシーンは、私が一番好きなシーンです。

 朔太郎という少年が、祖父を失い、失意にうなだれているところに、亜紀という少女が近づいてきて、両手を広げます。
 すると、その姿を見た朔太郎は、「世界で一番美しいものを見た」と思うのです。
 そして、亜紀に抱きしめられた時、その鼓動を聞いて「世界で一番優しい音を聞いた」と感じ、
 「世界っていうのは、抱きしめてくれる人のことで…」と続くのです。
 これが「世界の中心」です。朔太郎という少年の生きている世界、その中心は、亜紀という少女の存在なのです。

 私は何が言いたいのか? つまり、これが人間の持つイマジネーションです。何物にも代え難い存在を、「世界の中心」と表現することは、人間の持つ素晴らしさです。

 みなさん方は、ザッと20年から40年の間、それぞれの「世界」を生きてこられた方々です。その「世界」の中で、様々な経験をし、その中心は常に自分自身であったはずです。みなさん方の「世界」を、たったひとつの自分という視点で見てきているのですから、その意味において、仕事とか、遊びとか、明確に切り分けられるものではなく、それらのすべては自分というひとつに束ねられていくのです。そうであるのなら、すべてはひとつにつながるはずです…

 組織のマネジメント、顧客へのアプローチ等々、ビジネスにおいて求められるさまざまな局面、そこで本当に必要なものは、本屋に並んだノウハウ本の中にあるのでしょうか? もちろん、学問は大切です。しかし、それ以前に、みなさん方がこれまで「世界」で経験してきたことの中に、数々のヒントが散りばめられているはずです。

 遊びの中で見つけた何かを、仕事に結びつけていく。あるいはその逆…

 イマジネーションによってインテグレートされた全知全能とは、そういうことです。

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