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2010年1月23日土曜日

要求関係モデル

 現在、来期の行動計画を策定中ですが、今年は要求の関係に着目して計画を練っています。
 今までは、私が社にとって必要だと考えた要求を、コスト削減や生産性向上などの一般的な価値として、定性的に、あるいは定量的に表現してきました。しかし、一般化された価値では、ステークホルダー間で共有がスムーズにいかない場面があり、計画の確定、予算の承認までに時間を要することがあったのです。
 そこで、今回はステークホルダーの1人ひとりに、具体的な価値を示すことを目的として、要求の関係を整理することにしました。

 まず、予算編成方針などから経営層の要求であるトップダウン要求を洗い出します。次に、私の要求をピックアップします。そして、下図のように、トップダウン要求を実現するのはボトムアップ要求である、という関係が成り立てば、ボトムアップ要求には妥当性があり、経営層にとっても価値ある要求である、という関係が成り立ちます。また、私はボトムアップ要求の出所を説明しやすくなり、経営層は理解しやすくなる考えられます。

 しかし、ボトムアップ要求がトップダウン要求に直接結びつかないことがあります。例えば、次のようなケースです。
  1.  トップダウン要求: 経常利益を○○億円以上にする。 
  2. ボトムアップ要求: 不用なPC等を廃棄処分する。
  不用なPC等の廃棄は必要なことであり、そのための予算が必要ですが、このままではトップダウン要求に対する妥当性が説明できません(「当たり前」であるとか「常識」は、要求同士の関係を何も説明していません)。
 そこで、下図のように要求と要求を接続するためのブリッジ要求を見つける必要があります。これを見つけることができれば、それぞれの要求は次のように文章化できます。



  1. トップダウン要求は、ブリッジ要求を内包し、ブリッジ要求はボトムアップ要求により実現される。
  2. ボトムアップ要求は、ブリッジ要求を実現し、ブリッジ要求はトップダウン要求に含まれる(または、実現する)。
 先の例も、ブリッジ要求を加えることで関係を整理できます。

  1. トップダウン要求:経常利益を○億円以上にする。
  2. 【ブリッジ要求:コストを削減する。】
  3. 【ブリッジ要求:無駄を排除する。】
  4. ボトムアップ要求:不用なPC等を廃棄処分する。

  このような手法により、情報システム部門として来期必要なすべての要求を整理したものが、下図になります。

 ブリッジ要求は、単に要求同士を橋渡しするだけでなく、管理層の要求に結びつくことが考えられます。したがって、要求関係モデルを作成することは、経営層、管理層、実務層のそれぞれに、全体整合のとれた価値を提供する可能性を高めます。もちろん、システム開発の要求分析にもこの手法は適用できます。


*上図から一部を抜粋し、具体例を示します。


 黄色で示したボトムアップ要求は、ブリッジ要求として性質を合わせ持っているため、このような位置に表現しています。
 「サーバー更新」というのは、保守期間の終了により自然発生するボトムアップ要求です。しかし、トップダウン要求は「利益目標の達成に繋がる投資を積極的に検討すること」ですので、単純にリプレースするのではなく、そこに投資対効果を高めるためのアイデアが要求されます。そこで、「サーバー更新」とトップダウン要求のふたつに答えるために、「仮想化技術の導入による所有コストの削減計画」というブリッジ要求を加えています。

  1. トップダウン要求「経常利益を○○億円以上にすること」は、トップダウン要求「利益目標の達成に繋がる投資を積極的に検討すること」を内包する。
  2. ボトムアップ要求「サーバー更新」は、トップダウン要求「利益目標の達成に繋がる投資を積極的に検討すること」の検討要素である。
  3. ブリッジ要求「仮想化技術の導入による所有コストの削減計画」は、上位要求を満たす要素である。
  4. ボトムアップ要求「仮想化実験」は、ブリッジ要求「仮想化技術の導入による所有コストの削減計画」を実現するために必要なプロセスである。
  5. ボトムアップ要求「次期ITインフラストラクチャー」は、上位要求を実現する。

2 件のコメント:

  1. このような上流から要求分析できるのはすばらしいです。
    多くのユーザ企業が不明確なシステム化計画で苦労しているので、ステークホルダーとこのような形で接点が持てるのはすばらしいと思います。
    ただブリッジ要求は非常に難しいと思うので(アクション計画に近くなってくると思われるため)、めげずにがんばってください。
    ブリッジ要求を出すためのポイントなどありましたらまた教えてください。

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  2. コメントありがとうございます。
    このような業務に関しても、RDRAの思想は大変役に立っております。

    ブリッジ要求を抽出するということは、ステークホルダーに提供される価値を分かりやすく伝えるためのストーリー作りと捉えています。が、まだまだ私自身、試行錯誤中であり、とても教えるというようなレベルとは思っていませんが、その過程はご提供できると思いますし、それは何かのお役に立てるかもしれません。そんな意味で、引き続きBlogを執筆していきますので、今後もご意見頂ければと思います。

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